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かくれんぼが最強の外遊びである理由〜環境問題としての「3つの間」を打開する〜

日本かくれんぼ協会理事の岡村です。

外遊びの王様といえば「かくれんぼ」

みなさんも。もちろんそう思っていますよね!(え?違うって?)

今回は、「なぜかくれんぼが最強の遊びなのか」を、文部科学省も重要な環境問題として言及している「3つの間」に注目して解説します。

子育て中のお父さん、お母さん、遊びや体育に困っている学校の先生方、必見ですよ!!!

 

3つの間とは

人生の「3つの坂」といえば、「上り坂」「下り坂」「まさか」ですが、では今回のキーワードである「3つの間」とはなんでしょうか?

スポーツや遊びに不可欠なこれらの「間」が減ったことが、子どもの運動不足・体力低下の原因と言われています。(実際、おとなの運動不足にも当てはまると思います。)

答えは

時間・空間・仲間

です。


遊びの必要条件:3つの間
https://sports-service.mizuno.jp/assets/pdf/01.pdf より画像引用)

文部科学省の中央教育審議回(第24回)の資料から、「3 子供の体力低下の原因」という部分を抜粋したので、「3つの間」の減少について読んでみてください。

(引用元URLは参考文献欄を参照)

1)スポーツや外遊びの時間の減少

 NHK放送文化研究所が行っている「国民生活時間調査」によると、中学生と高校生のスポーツをする時間を見ると、昭和50年から平成12年までの25年間で、中学生は減少、高校生はほぼ横ばいとなっている。また、内閣府で行っている「青少年の生活と意識に関する基本調査」により、小中学生の休日の過ごし方を見ると、平成7年から5年間、テレビを見たり、テレビゲームをするなど、室内で過ごすことが増加しており、外遊びは減少している。このように、外遊びなど体を動かす時間が減少し、学校外の学習活動や室内遊びの時間に取って代わられていると考えられる。

2)スポーツや外遊びの空間の減少

 都市化や自動車の普及は、子どもたちの手軽なスポーツや外遊びの場であった空き地や生活道路を奪った。都市公園や学校開放、公共のスポーツ施設は増加しているものの、子どもたちが自由に遊べないなどの問題がある。ユニホームを着て組織的にスポーツをするための場所は整備されてきているが、普段着で好きなときに来て、少人数で遊んだり、スポーツすることができる身近な場所は減少している。

3)スポーツや外遊びの仲間の減少

 少子化が進み、兄弟姉妹の数が減って、スポーツや外遊びの仲間となる身近にいる子どもが減少した。また、学校外の学習活動などで子どもが忙しく、平日の放課後に遊びたくても、自由な時間が取れなかったり、友達と時間が合わないことで仲間がつくりにくい。仲間が少ないので群れることがなくなり、自分たちで外遊びを考え出すことが難しくなり、テレビゲームなどの室内遊びをすることが多くなる。このように、仲間の減少がスポーツや外遊びをできにくくする要因となっている。

「確かに、昔と比べて減ったな~」という実感のある方が多いでしょうか。

もはやこれは環境問題として、最近話題にしている人も増えているのではないでしょうか。

それではお待たせしました!前置きの解説が長くなりましたが・・・

現代の「3つの間の減少」をものともしない かくれんぼ の強さをお教えしたいと思います!

 

かくれんぼと時間

かくれんぼをするのに必要な時間は?

あくまで遊びなので、特に時間は決まっていません。

長すぎると、正直飽きてきちゃいますよね。

本気で隠れたら、全然見つけてもらえなくて、いつの間にか鬼にも隠れていることを忘れられて、気付いたらみんな帰っていた、なんて経験もありますね。

では、逆にどこまで短くできるでしょうか?

 

かくれんぼの定義にもよりますが、個人的には世界最短のかくれんぼは「いないいないばあ」だと思っています。

赤ちゃんの前で、手で顔覆って(=姿を隠して)、消えた顔を探している赤ちゃんの前にまた現れる。

たったの3秒!

でも飛び切りの驚きと笑顔が見られますよね。

 

たとえば世界選手権ルールのかくれんぼは、1ゲーム3分ほどで大興奮を味わえます。

伝統的なかくれんぼも、突然近くにいた人に声をかけて「今からかくれんぼ!○○(名前)が鬼だよ~」といえばすぐ始められます。

数秒で開始、5分もあれば十分楽しめる。

これなら学校や塾の5分間しかない休み時間でも余裕で遊べますね!

家族団らんでテレビを見ているとき、CMの時間だけかくれんぼ大会もできちゃいます。

 

「遊ぶ時間がない」そんなのはしょうもない言い訳です。

今すぐにかくれんぼを始めましょう!!

 

かくれんぼと空間

みなさんは普段どこでかくれんぼをしていますか?

私の場合は・・・

どこでも!です。

 

子どものころ、自宅ではいろんなところに隠れました。

父の書斎の机の下、出窓、タンスの中、お風呂の蓋の下、換気扇の室外機の陰、母とエプロンの間。

洗濯機の中は、小さい子が脱出できなくなる事故を聞いたことがあったのでやめておきましたが。。。

 

正直、何か物がある場所ならどこでもかくれんぼで遊べます。

「外遊びの王様」であり自然の中でのかくれんぼはとても良いものですが、必ずしも公園などの外の遊び場に出る必要はありません。

授業の間の5分休みに、教室で遊ぶことだってできます。帰り道に、電柱の陰に隠れることもできます。

 

2019年の5月にSHIBUYA 100BANCHで開催したワークショップ「外遊び会議~未来のかくれんぼをつくろう~」では、室内の会議スペースのような場所で約20人でかくれんぼをしました。

机や椅子、ホワイトボードがあるだけで、そこはもうかくれんぼのプレイングフィールドです。

室内であることを忘れるようにみんなが熱中していました!

かくれんぼは、いろんなスポーツのように特定の場所(コート)や道具(ボールなど)が不要で、どこでもできます。

ぜひ「ここでもかくれんぼできるかも!」という気持ちで日々身の回りの環境を見てみてください!

 

かくれんぼと仲間

多くの遊びには、一緒に遊んでくれる仲間が必要です。ではその仲間はどこにいるのでしょうか?

そこに人がいれば、かくれんぼは始められます。

かくれんぼは、世界共通の遊びです。言語が通じなくても、年齢が違っても、細かいローカル・ルールを吟味しなければすぐに誰でも始めることができます。

さすがに道ですれ違った人に突然かくれんぼしようと提案したら不審者扱いされるかもしれませんが(笑)、公園など人が遊びに集まる場所ではゲリラ的にかくれんぼをすることができます。

先日、岡村は出かけた先で偶然近くにあった公園で、初対面の未就学児たちとかくれんぼをしてきました。「よし、かくれんぼしよう!」「じゃあ鬼ね!」と自己紹介もなしに隠れ始める子供たち。どこの誰かも知らなくたって、一瞬で友達になれて一緒に楽しめる、それがかくれんぼの魅力なのです。

2017年に初めてかくれんぼ世界選手権に出場した日本代表選手団も、たったの丸2日間で世界各国の400人の友達を作って帰ってきました。

日本代表メンバーの中には英語を喋れない人もいましたが、そんなことは関係なく「かくれんぼが好きだ!」という共通点だけで一瞬で仲良くなれるのです。

友達・仲間をつくる世界一簡単なフレーズ

「かくれんぼしよう!」

このたった一つの思いを伝えることができれば、無敵です!

試合前の集合場所で既に一体感のある笑顔


各国選手に囲まれる高山選手

 

おわりに

今回は遊びに不可欠な「3つの間(時間・空間・仲間)」に着目して、「なぜかくれんぼが最強の遊びなのか」を考えました。

いつでも、どこでも、だれとでもできる「かくれんぼ」

もう、いますぐ遊び始めないわけにはいきませんね!

もし、まだ「かくれんぼ」をやるハードルが高いなぁと思っている方がいたら、かくれんぼのプロがあなたに合った遊び方を伝授しに伺いますので、是非お気軽に日本かくれんぼ協会までお問い合わせください!

このほかにも、日本かくれんぼ協会は「かくれんぼ」がなぜ健康に良いのか、社会の活性化につながるのか、日々研究実践を重ねています。

今後も様々な観点から「なぜかくれんぼが最強の遊びなのか」をみなさんにお伝えしていきたいと思います!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

次回もご期待ください!

 

参考文献

ココロを育てる運動あそび大研究! – ミズノスポーツサービス
https://sports-service.mizuno.jp/assets/pdf/01.pdf
(2019年8月27日閲覧)

文部科学省,トップ > 政策・審議会 > 審議会情報 > 中央教育審議会 > 中央教育審議会(第24回) 配付資料 > 資料5‐2 子どもの体力向上のための総合的な方策について(答申案) > 3 子どもの体力の低下の原因
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/attach/1344534.htm
(2019年8月27日閲覧)

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