忍者から学ぶ上手な隠れ方
こんにちは、日本かくれんぼ協会理事の岡村です。
海外からみて日本といえば、必ず話題に上がるのが「忍者-NINJA-」ですよね。
昨年のかくれんぼ世界選手権にエントリーした日本代表チーム名は「Nascon-Ninja」。これは、開催国のイタリア語でかくれんぼを表すNascondinoと、忍び隠れるプロとしてのNinjaを合わせた名前です。
前大会の場でも、「日本から忍者が参戦したぞー!!」と大盛り上がりでしたよ!
実は日本代表メンバーには本物の忍者がいたとかいないとか・・・
さて今回は、日本が誇る忍者から、かくれんぼのコツを学んでみましょう!
そもそも忍者とは?
みなさんは忍者にどんなイメージを持っているでしょう? 戦国の世でお偉いさん達を支える影のヒーロー、はたまた、アクロバティックな手裏剣裁きを見せるパフォーマーでしょうか?
敵の秘密を探り味方の利益を図る、いわゆる「スパイ」という存在は、古くから日本にも存在していたようで、彼らが忍者の原型であると言われています。
『日本書紀』には、西暦601年(推古9年)に「新羅(しらぎ)からやってきた間謀(うかみ=スパイ)を対馬で捕らえた」という記述が残っています。この頃から、日本にも後の忍者となるスパイ活動をする人々が存在していたと考えられます。
「忍(しのび=忍者)」という言葉が記述されている最古の文書は、『太平記』とされています。南北朝時代には忍者を職業にしていたものがいることがわかり、伊賀・甲賀といった忍者の名門が存在を増してきたのもこの頃からと言われています。
そして、忍者にとってもっとも華やかな活躍が続いた戦国時代には、様々な諜報活動・奇襲攻撃が行われていました。織田信長や徳川家康が忍者を使っていたという話を聞いたことのある人もいるのではないでしょうか。
江戸時代になると、天下統一後の戦乱の減少から、忍者の戦闘任務は消滅していったと考えられます。一方で、忍術をきちんと後世に残し忍者の正統性を主張するため、忍術書がまとめられたり、忍術道場が登場したり、芸として忍術を披露したりと、影の存在だった忍者たちがひとつの文化として姿を見せるようになりました。
現在みなさんが持つの忍者のイメージも、江戸時代以降の文化的忍者に影響されているところが大きいようです。
忍術から学ぶ隠れ方
それでは、我らのルーツでもある忍者から、かくれんぼに活かせる術を学んでいきましょう!
忍術の中でも、隠れる術のことを「隠形術(おんぎょうじゅつ/いんぎょうじゅつ)」と呼びます。読んで字の如く「形を隠す」技術です。
それでは、みなさんが今すぐ実践できそうな隠形術をいくつかご紹介していきましょう!
鶉隠れ(うずらがくれ)
手足を屈め、首を引っ込め、掩蔽物の側でじっと動かず、寒夜に霜の音を聞くごとく、息を殺して敵を欺く。
うずらの習性にたとえた隠遁術。
狐隠れ(きつねがくれ)
別に狐を真似て隠れることではない。
狩人に追われた狐は、水中に飛びこんで、水草やハスの葉や、藻をかぶり、鼻先だけ出して隠れとおす知恵をもっているという(『万川集海』)。
追手に追われた時、竹筒や鵜(水器の一種)を使って潜水し、難を逃れることを言う。
狸隠れ(たぬきがくれ)
狸がくれというのは、狸が狩人に追跡され、切羽つまると、
樹上に登って木と葉の茂みに姿を隠すことをもとにした隠遁術。
実際には、手釣、鈎縄等を用いて素早く大木の上によじ登る
隠れ方。狸退きとは異なる。登法の一種。
木の葉隠れ(このはがくれ)
敵に発見されないためには、自然の一部に溶けこむのが一番である。
状況に応じて木の葉や落葉などで偽装して隠れる。
現代の戦争でも木の葉隠れはどこの国の軍隊でもやっている。(カムフラージュ)
観音隠れ(かんのんがくれ)
植木や立木、壁や塀等の近くに寄りそい、敵や警備の者が近づいてきても、
大胆に棒立ちになったままじっと動かないでいること。
敵の意表をついて意外に見つからない。
袖で顔を覆い目だけ出して息の音を殺す。
いかがでしょう?意外とすぐに真似できそうな隠形術が多いと思いませんか?
実は、日本かくれんぼ協会のプロモーションビデオの中でも実践されていたものがあるので、もう一度見直してみてくださいね。
プロモーションビデオはこちら
日本かくれんぼ協会とかくれんぼ世界選手権日本代表は、日々かくれんぼの技術について研究中です。
みなさんも是非、忍術を活かしたかくれんぼを実践してみてください!
そういえば、動物の行動を参考にした隠術が目立ったのが気になりませんか?
次回は、自然界の動植物がどんな「かくれんぼ」を極めているか調べてみたいと思います!
それではまた。
岡村
—参考文献—
【書籍】「The NINJA ー忍者ってナンジャ⁉ー」実行委員会,The NINJA ー忍者ってナンジャ⁉ー 公式ブック,角川書店,2016.
【書籍】黒川宏光・長谷川義史,忍者図鑑,ブロンズ新社,2006.
【webサイト】日本忍者協議会 公式サイト,https://ninja-official.com/whats-ninja
【webサイト】ザ・ニンジャコンテント,忍術 忍技 忍法,http://www.syuriken.com/ninja_content/ninja-skills-zyutu.htm
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